2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

生み出すものには勝てない。

毎日早朝に目覚め、昨晩に決めたその日の題材についてどのような解説を書こうか考える日々を送っているうちに、おぼろげに分かってきたことがあります。 やっぱり、生み出す人は偉大だ。 この一言に尽きます。 どんなに御大層な学歴を持ち、様々な出版社から…

変わってるって、強さのことだ。

ーーー「きみ、変わってるね。」と言われたら、どう思いますか。 特に日本では「変わった人」というのはネガティブな意味で使われることが多いような気がします。変わってるやつ、馴染めないやつ。社会不適合者、みたいな。 しかし、文学は教えてくれます。…

思春期の少年、苦しく美しい心の中。

ーーー中学校の国語の授業で、誰もが深く印象に残っている、あの「クジャクヤママユ」の話。あの物語を書いた作家が、ヘルマン・ヘッセである。 「クジャクヤママユ」を盗んだあの主人公のように、不安定な思春期の真っただ中、誰しも一度は「悪」に触れたこ…

漱石「夢十夜」より。孤独な時代への処方箋。

ーーー戦争。人間どうしが殺し合いをするなんて場面は、今生きている私たちにはとても考えられない。しかし、むしろ現代の日本の方が特殊なのではないか。有史以来戦争や争いごとが絶えたことはない。明日も生きていられる保証がある時なんて、一秒たりとも…

漱石「夢十夜」より。自殺の強い誘惑と後悔。

ーーー自殺を選んだ方は、死ぬ間際に何を思うのだろう。目の前に電車の車輪が迫ったとき。高層ビルの屋上から空を飛んでいる真っ最中。車の中で体が動かなくなり、意識が消えようとしている、まさにその瞬間。 ああ、これでやっと死ねる・・ もし喜びの感情…

遅読のススメ

読書。その習慣の意味するところは人によってそれぞれです。 多くの場合、何かを学ぶために人は本を読みます。 巷には多くの本が出回っています。現代では特に、インターネットの隆盛によって紙の本が売れなくなっています。出版社も生き残りをかけて必死に…